海を渡ったフランス料理。それは、日本が世界と対等に渡り合うための「外交の武器」だった。
明治維新という激動の時代、西洋料理は単なる「新しい味」としてではなく、国力を示すための「文明」として日本に導入されました。しかし、本場のレシピをそのまま再現しようとした先人たちの前には、水、食材、そして気候という大きな壁が立ちはだかります。
今回の講義ノートでは、日本におけるフレンチの夜明けを紐解きます。なぜ日本はフランス料理を国賓へのおもてなしに選んだのか。そして、限られた環境の中で「正解」を追い求めた先人たちの苦闘が、どのようにして現在の「日本のフレンチ」という高い土台を築き上げたのか。メニュー開発の根幹にある「文化の翻訳と適応」の歴史に迫ります。